「で、今度はどこです?」
ヨダが俺にそう聞くのに、俺は
「東の農村」
と答えた。
「へぇ、賊でも退治するんですか?」
そう頭の上に手を組んでいうヨダに、
「いや、視察だ」
とだけ答えた。
まぁ、青髪の男の賊というのも気になるが
それは今は置いておこう。
「でもそれ、王がしなきゃならないんですか?」
ロダのその質問に、俺は頷いた。
「この国の現状を知り、貧富の差が激しく苦しむ人々が居るのなら、それを正す。」
「流石は石頭のグオン様ですね〜」
とフェルナンが笑いながらいうのを聞き、
「お前…」
と言い返そうと振り向くと、
「ま、そんな人だから僕達はついて行くんですけどね〜」
とフェルナンが笑って言葉を続けた。
そのフェルナンの言葉に、笑いながらヨダが
頷いた。
「…アホどもが…」
そう呟くように言うと、前を向いて
「行くぞ」
と、城から外へ出た。

