少女が向かっていった先には小さめの神社が
あった。
なるほど、それで巫女のような格好を
していたのか。
と、シオンは納得しながら少女についていく。
本殿の部屋の中に着くと、少女は
てきぱきと薬を煎じ始めた。
「怪我人の方を、そこに寝かせてあげて」
少女はこちらを見ずにそういうと、
奥の部屋に入っていった。
「も…申し訳ありませんシオン様。」
エーラがそう謝るが、私は
「平気だ、お前の命が一番大事だよ」
と返す。
「…しかし、あの者を信用しては…」
と、エーラが心配そうに言う。
「大丈夫よ、何もしないわ」
いつの間にか奥の部屋から戻ってきた少女は、
「ちょっと、退いてね」
と、私をエーラの横から退かすと、エーラの
怪我の手当を始めた。

