「君をここから出しに来た」


私がそういうと、白虎は


「なんで?俺をここから出しても、俺はあんたには従わねぇよ」



と、そっぽを向いて言った。






「別に私は、君を無理に従わせようなんて思ってないよ。まぁ…一緒に来てくれるのなら来て欲しいが…」


私が笑いながらそう言うと、



「ならますます分かんねぇな。俺を外に出して、お前になんの得がある?」


と、顔をしかめて白虎は言う。




「損得を考えて、ここへきたんじゃないからな〜…でも、夢で前世の私に頼まれたんだよ。白虎を救ってやって欲しいと。」



「じゃあお前は麒麟の言いなりになってここへ来たってことか。それなら俺を…」


そこまで白虎が言った時、私は遮るように言う




「確かに、白虎が封印されていて、苦しんでいると前世の自分から聞いたが、ここへ来ると決めたのは私だよ。会ってみたかったんだ、四聖獣の一人である君に。」


そう言いながら、私は白虎に近づいた。



会ったことも無かったのに懐かしい、


という気持ちが胸を占める。



「…君という人を生み出したのが私の前世の人物なら、私は彼の代わりに君を自由にしたい。損得をなんて、そんなのなしに。」


私はそう微笑みながら白虎に言った。