「とりあえずは、ここで話していても仕方ないな。この石を持って洞窟に行こうか?」 そうシオン様が言うのに、私とエーラは頷く。 行きのように、私はシオン様とエーラを 一人ずつ崖から下ろし、くぼみに近づいた。 暗いくぼみの中に目を凝らすと、クオンが 丸くなって眠っているのが見えた。 私はそっとクオンを抱き上げて、両手で抱えた そしてシオン様たちのところへ行くと、 再び来た道を引き返し始めた。