そこに、シオン様も近づいてきた。 「暗くなる前に、崖の近くまで進んでしまおうか」 と、シオン様は言う。 確かに、暗くなってからじゃ森を進むのも 危ないかもしれない… 「そうですね」 と、エーラが言い、私も頷いた。 それを見てシオン様は 「よし」 と、少し気合を入れるように言うと、 「女将」 と、女将さんに声をかけた。 「行くんじゃな?ちゃんと生きて帰ってきなさい」 と女将さんは笑顔で返してくれた。