「なんかあった?」といきなり顔を覗かれた
ちちちちちちちっちかい!!!!!
とっさに顔を逸らしたけど
自分の顔に熱が上がっていくのがわかった
及川君はん?とした顔で私を見る
ずるい。どう考えても普通にまずい
だって誰かに押されたら唇に触れちゃう距離だったよ!?
冷静でいられるわけないでしょ
チラッと及川君の顔を除き見てみると
いたって冷静だった
ムカつく。
私だけ熱くなっちゃって
心臓だって変な動きしてるのに。
うん。やり返そう
私は及川君に一歩近づいた
彼と私の距離は多分10㎝ぐらい
そっと彼の制服を掴み彼の顔を下から見る
上目遣いというやつだ
彼の身長はだいたい180㎝
私との身長差は12㎝といったところ
そして見上げながら彼に
「なんか、私だけ競技に出られなくて寂しくなったの。でも君の顔を見たらなんかそんな気持ちなくなっちゃった」
と言い優しく微笑んでみた
