この状況はまるで、
「刑事みたいだね」

思ったことを素直に言った私に、
「事実、人探しみたいなことをしている訳だからな」

杉下くんはクスクスと楽しそうに笑った。

「と言うか、杉下くんもダジャレを言うんだね」

続けて言った私に、
「俺だってダジャレを言いたくなる時がある」

杉下くんは言い返した。

「リストアップが終わり次第、名古屋へ行こうね」

そう言った私に、
「ああ、そうだな」

杉下くんは首を縦に振ってうなずいた。

「その前にご飯を食べよう?」

食べかけの夕飯に視線を向けた私に、
「これが1番先にやることだな」

杉下くんはご飯を口に入れた。

病院のリストアップが終わったらホテルの手配をしたり、荷造りをしたりとやることはたくさんある。

それを憂うつだと思わないのは杉下くんが一緒だからかも知れないと、私は思った。