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三崎綾世のこと、最初から嫌いだったわけじゃない。




でも、あの日から。




あの日から、嫌いっていうか、苦手なの。






─── あれは、高校に入ってすぐの頃。




『私、あなたに一目惚れしちゃって……っ!』




私、榛野 双葉(はるの ふたば)は、偶然にも、非常階段で繰り広げられていた告白現場に居合わせてしまい

壁の死角に立つようにして、青ざめていた。




あわわわーっ!




どうしよう……っ。




なんてタイミング…!




今すぐにでも、ここを立ち去りたい。




立ち去りたい! けど!




私だって、用のある教室に行くために、そこの階段を上がらなくちゃいけないのーっ!




雑用を頼みつけてきた新しい担任を心の中で呪いながら

私は、そこで息を殺して、その一連の事が終わるまで待つことにした。