「叫び声が聞こえて来てみたら、なんで俺に抱きついてきてんだよ」
な、ななっ!
なんかそれって、私がわざと抱きついたみたいじゃん!
って言いたいとこだけど、それをぐっと堪える。
こうなったら、背に腹は変えられない。
ゴキブリよりは綾世の方がまだマシだもん!!
「あ、あの、綾世…!
今日もイケめてて、すんごくかっこいいねっ!
そんなイケメンな綾世にお願いがあるんだけど、私の部屋にゴキブリがいるから、それをやっつけてくれないかな〜?」
できるだけおだてながらそう頼む。
だけど、綾世は呆れた表情で。
「は? ゴキブリ?
そんなの自分でどうにかしなよ」
そう言い放ち、非情にもこの哀れな乙女を置いて帰ろうとする、冷徹悪魔。


