「正直言えば、美桜香のことはなるべく考えないようにしてきた。
でも、あるバカのおかげで、美桜香との思い出が今は大切だったって思えてるよ」
双葉がいなかったら、俺はこのまま一生美桜香と話し合おうなんて、きっとそんな気も起きなかった。
だけど、あいつの真っ直ぐさに感化されたのか、美桜香から逃げてることが馬鹿らしく思えた。
「惚れてるのね、あの子に。
なのにごめんね、かき乱しちゃって。
イギリス留学前向きに検討してるって、嘘ついちゃった」
美桜香がぺろっと舌を出し、ウインクをする。
いや、笑えねーよ。
あんたの冗談のせいで、こっちは修羅場だっつーの。
「まっったくだよ、美桜香のせいで離れたいって言われたじゃん。
でもまぁ、しょうがないから、今度は俺があのバカ追いかけてやることにするよ。
絶対振り向かせてみせる」
あいつのために本気になるとか、なんかムカつくけど、惚れた弱みだ。
せいぜい、振り回されてやるよ。


