「なんか、綾くん雰囲気変わったわ。 すっごく優しい顔するようになった」 え、何それ。 優しい顔、してんの? 俺が? 「ふーん? まぁ、あいつのバカが移ったんじゃない?」 すると、くすりと美桜香が笑った。 それからその笑みは静かに消えていき、寂しげに目を伏せる。 「綾くん、突然別れてごめんね。 あの時は自分のことしか考えられてなくて、綾くんのこと傷つけた。 私のこと、嫌いだったわよね」 思い返されるのは、 《もう別れましょう》 美桜香がイギリスに発ち、そう記し残されていた一枚の紙切れ。