だけど、私の言葉は口から勝手にスルスルと出て、止まってくれない。 「本当に差し入れに行っただけ?」 私の言葉に、綾世は眉間にしわを寄せた。 「は? 俺のこと信用できないの?」 だって、それだけじゃないじゃない。 みおみおにイギリス留学を誘われて、前向きに検討するって答えたんでしょう? なんでそのことを何も話してくれないの? もう、心の中ぐちゃぐちゃなの。 真っ黒なクレヨンで塗り潰されてるみたい……。