「なんでって、美桜香が熱出したっていうから、風邪薬を買ってきてやったんだよ。 差し入れして、すぐ帰った」 綾世の言葉に、私は綾世の方を振り返った。 今、綾世が見てる私は、どんな顔をしてるんだろう。 「……もう、みおみおに会わないで」 すると、綾世が呆れたように溜め息をついた。 「どうしたの、いきなり。 デートに遅れたの俺が悪いけど、差し入れのことを怒ってるなら間違いだよ。 美桜香じゃなくても病人が苦しんでたら、差し入れくらい行くだろ」 綾世の声が、ワントーン低くなる。