それから、間も無くのこと。
エントランスに立ち尽くす私の背後から
「双葉?」
私の名前を呼ぶ綾世の声が聞こえた。
「ごめんね、遅くなって。
わざわざこんな寒いところで待ってなくても、部屋にいれば良かったのに」
「……どこに行ってたの?」
私は振り返らず、ただ一言問いかけた。
こんな冷たいこと、言いたくない。
でもね、私の頭の中もうパンク寸前なんだよ。
「どこって、美桜香の家だよ」
ああやっぱり……。
「それがどうかした?」
「なんでみおみおのお家に行くの?」
みおみおは、綾世のことが好きなんだよ?


