綾世のために帰ってきた、なんて……
やっぱり……美桜香ちゃんは、まだ綾世のことを想ってるのかな……。
「もう暗いし、エントランスまで送ってくれないかしら。
ここら辺、不審者とか出そうだわ。
それくらい許してくれる? 双葉ちゃん」
「え、あっ、うん」
本当は嫌って思う気持ちの方が強かった。
でも、もう外は暗いし女の子ひとりじゃ危ないよね。
「綾世、送ってってあげてね。
美桜香ちゃんのこと」
笑顔を取り繕ってそう言うと、綾世は何も言わず、こっちを見向きもせずに玄関に降りた。
「じゃあね、双葉ちゃん」
「うっ、うんっ…」


