ぎゅうっと綾世を抱きしめる腕に力を込める。
「綾世、綾世っ。
来てくれないかもって思ってたんだけどね、それでもずっと会いたかったっ」
抱きつくつもりなんてなかったのに、姿を見た瞬間、心の中に込み上げてきたものに身体が突き動かされていたんだ。
「双葉、暗闇苦手そうだから。
来て良かったみたいだね」
「うんっ、うん……」
私の頭をそっと撫でると、綾世は身体を離し私の顔を下から覗き込んだ。
建物自体が地面よりも高く設計されているせいで、綾世が私を見上げている姿勢になっている。
「で、体調は?」
私は元気をアピールするために、満面の笑みを浮かべてガッツポーズをして見せた。


