ずっと張り詰めいた涙腺が緩んで、涙がぶわっと流れ出す。




「ほ、ほんとっ?」




「ほんとだよ」




綾世もそう言ってくれてるのに、信じられなくて、ほっぺを両手でつまむ。




「い、いはい…。

ゆ、ゆめひゃない〜っ!」




泣きながらほっぺをつまむ私に、綾世がふっと笑みをこぼした。




「ばーーか。

現実だから。 分かった?」




はい!


つまんだほっぺ、ちゃんと痛いっす!




あっ? でも待って!


やっぱり現実なんかじゃないかも!




「さっき綾世、私のことなんとも思ってないって…関係ないって…っ」




すると、呆れたように溜め息をつく綾世。




「そりゃ、あの場じゃあーいうしかないでしょ。

下手に本音でも言ったら、あの子ら双葉に何しでかすか分からないし」




「綾世…」




そんな理由があったなんて…。


優しすぎるよ……。