「いつだって私の一方的な想いばっかりで、綾世は同じ気持ちになってくれない!

なのに、私の綾世への気持ちは変わってくれないの!

それが悔しいよ、バカヤローッ!」




「は? 双葉、おい…」




目の前の呆気にとられたような綾世の顔が滲んで見えた。




もう何言ってるんだか、自分でも分かんないよ。




こんなの、完全に逆ギレだ。




でも胸の中の思いを全部吐き出した私は、綾世の言葉も聞かず、バッと走り出した。




だって、涙が出てきちゃったから。




悔しい、悔しい。




勝手に、綾世に近づけたって思ってただけだったんだ。




好きなのに…


なんで綾世はいつも遠いんだろ…。