混乱して、ゴロゴロと床を転げ回っていた私は、不意にぴたっと動きを止めた。




…そういえば。


私、綾世と、その、キ、キ、キスしちゃったんだよね……。




かぁぁぁっと顔が火照ってきて、口に両手を当てる。




うわ…ドキドキしてきた…っ!




好きな人とキスをして嬉しい自分と、混乱してる自分と、二人の自分が心の中で入り混じって、もう訳分かんないーっ!




だってこんなの初めてだもの。




しかも、その前には東城くんにもキスされてる。




ほっぺだったとはいえ、その、ファ、ファーストキス、だったし…。




いつもと違う、真っ直ぐに私を見る東城くんの瞳は、今でも頭の中に強い印象を残していて。




ふたりの気持ちがまったく分からない。




人の気持ちを理解するのって、もしかしたらテストより難しいのかも…。