くるっとその声がした方を振り向くと、大きな木の下で男の子がひとり泣いていた。 およよっ? どうしたんだろ? 整理券をバックにしまい、木の下に駆け寄った私は、男の子の前にしゃがみこむ。 「ぼく、どうしたの?」 すると、5歳くらいの男の子が目をこすりながら、木の上の方を指差した。 「ぐすっ、あのねっ、ぼくのね風船がね、木に絡まっちゃったの…」 「えっ?」 言われてみれば確かに、赤い風船が男の子の指差した先に引っかかっていて。 男の子の背じゃ、到底届くはずもない距離。