っていうか、ちちち近い…! 綾世の顔が、私の耳のすぐ横に……! 「あ、ありがとう綾世…」 やっとのことで喉の奥から声を発すると、 「ほんと世話焼けるよね」 なんて言いながら身体を離し、何事もなかったように歩き出す綾世。 だけど、私の顔はタコさんみたいに真っ赤っかで。 もう、綾世といると心臓持たないよ! だって、私を抱きとめた綾世の右手、男の子の手だった……。 必死に両手で赤くなった頰を冷やし、私は綾世を追いかけた。