すると、東城くんが前を向き、綺麗な顎を少し上げた。




「俺、弱ってる子に付け入るような真似だけはしないっていうポリシーがあるんだよね。

だってそうじゃなきゃ、フェアじゃないでしょ、この俺と闘うんだから」




「んん? どういう意味?」




なんだか横文字いっぱいで、ちっとも東城くんの言ってることが理解できない…!




すると、東城くんはちんぷんかんぷんな私の方を見て、眉を下げてくすっと笑った。




「いいよ、分かんなくて。

ただ、今俺が双葉ちゃんに言葉をかけてあげるとしたら、」




そう言って東城くんはベンチから立ち上がり、目の前に立ったかと思うと、腰を曲げて私の顔を覗き込んだ。




その表情は優しい笑顔で。




「双葉ちゃんはなーんにも遠慮することないよ。

いつだって自分の気持ちに正直でいてね?」




「東城くん…」