本当に、お、王子なの……? だってあんなの、悪魔じゃない…! 私の目には、しっかり見えた。 イケメンの仮面がベリベリと剥がれ落ち、悪魔な素顔がみるみると姿を現していくのが───……。 『も、もういいですっ……』 そう声を上げ、女の子が非常階段を降りていった。 あ…行っちゃった……。 いや、でもその気持ち痛いほど分かるよ…。 私だって、好きな人にあんなこと言われたら逃げ出したくもなるもん! しかも、相手はあの王子。 夢見てた王子があんなこと言ってたら……