会議は順調にすすみ、会場を移動して慰労会が始まった。


私も、普段は電話でしか話さない他支店の店長さんと挨拶して顔と名前が一致したりして、充実していた。



もうすぐ、慰労会もお開きになる頃。


てっちゃんが私の隣に来た。


てっちゃん側の体の左半分が、勝手に反応して固まってしまったようだった。


「今日、泊まり?」


「はい、そうです」


「何号室?」


「えっ、どうしてそんなこと聞くんですか?」


「ふたりで話したいからだよ」


「いま話せばいいですよね?」


「昔のこと、みんなに聞かれてもいいわけ?」


それは困る。


「・・・305号室です」


「了解」



てっちゃんは一瞬私の手を握って、立ち去った。