キミに出会うまで

「あー、それですけど、あの日楽しかったですし、ご両親も喜んでくださったみたいなので、別にお礼なんていいです」


「珍しいな、なんでもおごってやるのに?」


「もういいんです、では戻ります」


「なんかさ、俺のこと避けてる?」


「避けてなんかいません」


「優花が、おごってもらえるのに断るなんておかしいだろ」



もう、しつこいな。



「あんな風に、私の意見をまったく聞いてもらえないなら、イヤだって思っただけです」


「仕事とプライベートは違うだろ?


それに、優花の意見を全部無視するつもりはないから」


「どういう意味ですか?」


「そのうちわかるよ」


「とにかく、優しくない人とは食事に行くつもりないですから」



「・・・わかった、好きにしろよ」



森さんはそう言うと、自分の部署へ戻っていった。