「終わったな」


「終わりましたね」


「ありがとな、助かったよ」


「いえいえ、今度ガッツリおごっていただきますので、覚悟してください」


「なあ、優花」


「なに言ってるんですか、もう『おまえ』でも『坂本』でも、なんでもいいですよ」



「これを機会に、敬語は使うなよ。


せっかく仲良くなったんだし、いまさらよそよそしいのも変だろ」



「仲良くっていったって、フリじゃないですか」


「まあそうだけどさ、これからも会社で会うし」


「何をおごってもらうか、考えときますね。


お疲れさまでした」


「待てよ」


「なんですか、まだ何かあります?」


「・・・いや、やっぱいい、お疲れ」



森さん、今まで見たことないような変な顔。