夕方の、システム変更打ち合わせ。


「森さん、変更していただきたい点を書き出してみました」


森さんは、私のメモに目を通していく。



「うーん、これって、ほとんど商品部目線だよね?


受けとるメーカーさんの立場も少しはふまえた方がいいと思うんだけど」


「入力するのは私たちですから、まずはやりやすいように変更していただきたいんですが」


「そこまで言うんだから、実際に出力したのは用意してあるんだよな?」


「すぐ持ってきます!」




くやしい。


なんか、言い負かされている気がする。


絶対に負けないんだ、がんばれワタシ。





「こちらが、いま先方へFAXしている発注書です」


「これ以上、商品名を大きくする必要はないと思うけど?」


「でも、実際にリファックスいただくと、字がつぶれて見づらいのもありまして」


「それは、画数が多い漢字を使ってる商品だけじゃない?」


「・・・それはそうかもしれませんけど」


「じゃあ、発注書はこのままね」


「あっでも、商品コードは先方には関係ないので、ここを小さくすれば、商品名が大きくできるんじゃないですか?」


「そこまでする必要ないんじゃない?」


「でも、ますは大きくして出力してみて、それから検討してもいいと思いますが」


「ま、後回しだな。


はい、次ね」


「ちょっと待ってください、これは私個人の意見ではなく、商品部としての要望です」


「検討する順位としては、優先するべきじゃないな」


「そんなことありません、仕事がしやすくなれば、ミスも減りますし、就業時間の短縮にもつながります!」


食って掛かる私を見かねて、部長が割って入ってきた。


「まあまあ坂本さん、少し落ち着いて、今日は最初の打ち合わせだから、まだ時間はあるわけだし」


「・・・はい」