「た、たまってなんかいません!!!」


「おまえさ、さっきからなんで下ネタと勘違いしてんだよ」


「違うならいいんです、とにかく、私はもう恋愛はしませんから!」


「俺に宣言されても困るんですけど」


「そろそろ帰ります、コーヒーごちそうさまでした。


あっ、これメイク落としと歯ブラシ代です」




お金を置こうとする私をさえぎるように、森さんは、


「最寄り駅がどこかもわからないのに、ここからどうやって帰るつもり?」


私を諭すように言った。



「おまえを襲ったりしないから、コーヒーくらい飲んでいけよ。


お子ちゃまは、砂糖とミルク使うか?」


「使いません!!!


っていうか、あんまり年齢変わらないですよね?」


「俺は31だけど、おまえは?」


「・・・29です」


「ふーん、だから焦ってるってわけ」


「・・・別に焦ってなんかいません」


「だからって、結婚してる男はやめた方がいいぞ」


「わかってます」