キミに出会うまで

明日香先輩との電話を切った瞬間、電話が鳴った。


優樹からだった。


出ようかどうしようか迷ったけど、明日香先輩の言葉に背中を押されるように、電話に出た。


『・・・もしもし』


『優花?


良かった、つながって。


悲しい思いさせて、ごめん』


『メールとか何も読んでないけど、しばらく距離をおこうと思ってる』


『直接会って説明させてほしいんだけど』


『・・・それは、無理』


『俺んちがイヤなら、優花の家でもいいし、どこか他の場所でもいい』


『ごめん、一人にさせて』


『・・・優花』


『やっぱり、信じきれなかった。


私は、いつも元カノの存在が不安だったから。


もう、恋愛はしたくない』


『俺が好きなのは、優花だけだよ』


『覚えてないだろうけど、熱だして私がお見舞いに行った夜、寝ぼけた優樹が私を元カノと勘違いして・・・』


『えっ?』


『まゆみ、って言ってた』


『もう、どこにも行くな、って言ってた』


優樹は、何も言わなかった。


『元カノのまゆみさんを忘れられないのは、優樹でしょ?』


それだけ言うと、電話を切った。


何も言わなかったのが、答えだと思った。