キミに出会うまで

玄関に走ると、下駄箱上のトレーの中に、優花にあげたキーケースがあり、中を見ると合鍵が残っていた。


優花が、俺とまゆみが一緒にいるのを見たのは確実だった。


最悪の場合、まゆみが俺に抱きついていた瞬間も、優花は見たかもしれない。


優花にすぐ電話したけど、最初鳴っていた呼び出し音は、鳴らなくなった。



俺の様子を黙って見ていたまゆみに、


「帰ってくれ」


と告げた。


「優樹が取り乱すほど、あの子が好きなのね」


「まゆみがわざと見せつけたんだろ、いい加減にしろよ」


「私は、本気でやり直したかったんだけど」


「なに言ってんだよ、結婚したんだろ」


「いま、別居しようとしてるとこ」


「俺には関係ない、とにかく出てってくれ」


「・・・優樹、変わったね」


「俺はいま、彼女のことしか考えられないから」


また連絡する、と言って、まゆみは帰っていった。




優花が仲のいい土屋さんや水野さんの連絡先はわからないし、優花の実家の電話番号もわからない。


和真さんに電話して、事の経緯を説明した。


「優樹にしては、珍しい頼みだな」


「すみません、夏休み前なのに」


「いいって、明日香に聞いてみるから。


ひとみちゃんと、優花ちゃんの実家にも確認させるよ」


「ありがとうございます」



電話を切ると、近所の心当たりを探しに、家を出た。