キミに出会うまで

まゆみから電話があったのは、あの日の昼だった。


引っ越し先に、俺の部屋に残したままの家具を持っていきたいから、大きさを測らせてほしいという話だった。


俺が測ってメールすると言ったけど、実際に見て持っていくか決めたいと言われたら、断る理由がみつからなかった。


だけど、優花がうちに来るかもしれないし、元カノと今カノの鉢合わせなんて、できるだけ避けたほうがいいに決まってる。


夕方、改めて都合をメールすることにして、優花の希望を優先しようと考えていたら、優花から来ないと連絡があった。


それで、19時すぎにまゆみが来ることになった。


一通り測って写真を撮って、引き取る業者が決まったら連絡するということになり、ふたりでソファーに座ってまゆみが買ってきたビールを飲んでいた。



それまでたわいもない話をしていたのに、まゆみは突然『やり直さない』と言って抱きついてきた。



ただただ、驚いた。


不意打ちをくらったのと同じだった。



「まゆみ・・・俺たちは、もう終わっただろ。


それに、俺には結婚を考えてる彼女がいるから」


まゆみの腕をほどき、きっぱり断った。



「今度は、年下のかわいらしい子なのね」



まるで、見たことのあるような口ぶりだった。



「どこかで俺たちを見かけたのか?」


「ううん、今さっきそこに立ってたもの」


まゆみが指さしたのは、リビングのドアだった。


あわてて振り返ると、コンビニの袋が落ちていた。