表面上は平穏な毎日で、優樹は少しずつ荷物を整理しはじめて。


本社に出勤する最後の金曜日には、いつもの中華で送別会が開かれることになった。


その前の週末、いつものように優樹の家でまったりしていたら、


「これからちょっと出かけない?」


と誘われた。


「うんいいよ、ちょうどお昼だしね」


「たまには外でランチもいいだろ」


ここんところ、ふたりで焼そば作ったり、たこ焼き器でアヒージョ作ってお昼からワイン飲んでみたり、それはそれで楽しかったんだけど。



パスタもピザもおいしいイタリアンで、時間を気にしないで食事して。


何でもない話してたのに、コーヒー飲み終わったら、


「一緒に行きたい店があるんだ」


と、ちょっと強引な感じで店を出た。


手をつないで歩くのは変わらないけど。


なんだろう、いつもと何かが違う気がする。