石垣旅行は、すべてが楽しくて。


できることは全部やった。


沖縄そばも石垣牛も堪能したし。


離島めぐりもして、レンタサイクルで島をまわったり。


白い砂浜でのんびりしているだけで、幸せだった。




ホテルのベランダで、缶ビール片手に見上げた星空は、東京と同じ空とは思えないほどキレイで。


まるで星が降ってくるみたいで、まぶしかった。



「星、キレイだね」


「そうだな」


「私ね、小学生の頃、授業で星座の早見盤もらって。


円形で、どの方角にどんな星座があるか書いてあるの、わかる?」


「わかるよ」


「それを授業で眺めていた時は、意外と星座って小さいんだなーって思ってたんだけど。


東京の空で探したら、オリオン座とかすごく大きくて、ビックリしたのを思い出した」


「沖縄の空はキレイすぎて、星座がどこにあるかわかりづらいかもな」


「そこにあるのに、東京では見えないんだもんね」


「東京で仕事するの、イヤになるよな」


「でも仕事しなきゃいけないから、たまにこうやってリフレッシュするんじゃない?」


「また来ような」


「うん、他の場所でも同じ場所でもいいから、またふたりで旅行しよう」


「・・・来年も再来年も、その先もずっとな」



優樹は、すぐ左隣にいるのに。


なんか、さみしそうな横顔が気になった。