キミに出会うまで

他の人から見たら、ケンカとも言えないけど。


この離れていた時間と距離の分、優樹と私は更に強い絆で結ばれた気がした。


もし、てっちゃんがまた荒らしに来ても、今度は大丈夫。


そんなことには負けない、自信をもったんだ。



この時は、そう信じていた。


だけど、その自信は、あっけなく崩れてしまったんだ。


まるで、砂で作った城が、満ちてきた潮に流されるみたいに。


潮は、私が流した涙のようで。


ふたりで住んでいた城は、あとかたもなく消えてしまったんだ。