翌朝目覚めたら、隣で優樹が眠っていた。


無防備な寝顔を見ていたら、母性本能がくすぐられたのか、思わず顔をなでてしまった。



むにゃむにゃ動く唇。


意外と長い睫毛。


セットしていない、乱れた髪。



いとおしくてたまらなくなって、そっとキスした。



いつまでも布団の中でぬくぬくしていられる幸せと。


大好きな人の隣にいられる幸せと。


愛されている実感がある幸せと。



いろんな幸せに包まれて、満たされた朝。


嬉しくて、優樹に抱きついたら。


「・・・優花、おはよ」


「おはよう。


起こしちゃった、ごめんね」


「いてくれて良かった」


「いるよ、当たり前じゃん」


「夢みたいに幸せだったから」


「なんかさ、優樹って、仕事の時とぜんぜん違うよね」


「当たり前だろ、仕事は他人とやっていくんだから、気張ってんだし。


今は、他人じゃない優花と一緒にいるんだから、素のまんま」


そっか、私の前では気を使わなくていいほど、リラックスしてるってことか。



「昨日のお礼に、朝ごはん作るよ」


「でも、もうちょっとだけ」


優樹は私をギュッと抱きしめて、キスしてくれた。


初めてのお泊まりは、甘い時間を満喫して過ぎていった。