私が、明日香先輩とひとみちゃんのところへ戻ると、


「ゆう、どうだった?」


「優花先輩、森さんオッケーでしたか?」


と、たたみかけるように聞かれて。


「オッケーもらえました」


と笑うと、


「ゆう、よかったね!」


「優花先輩の想いが通じましたね!」


って、自分のことのように喜んでくれた。



「ちゃんと、自分の正直な気持ちを伝えるんだよ」


「優花先輩の想いは、必ず通じます!」


「・・・がんばります」



みんな、『よいお年を』って言いながら、家路に着いた。



会社の最寄り駅で反対方向の明日香先輩とひとみちゃんとは別れ、家に帰ろうとした時。


「送ってくよ」


いつのまにか、森さんがそばにいた。


「えっ、でも森さんちは反対方向ですよね?」


「さっきの続き、話せよ」


「続き?・・・」


「カウントダウンの話」


「あっ、そっか、何時に待ち合わせする?」


「優花はご両親と年越しそば食べるんだろ?」


「うん、毎年紅白みながら食べてるよ」


「じゃあ、21時待ち合わせでいい?」


「わかった、会場の最寄り駅でいいかな?」


「家まで迎えに行こうか」


「へっ?」


「まただ、その変な返事。


彼氏のフリして、挨拶するけど」