「そのピアス、森さんにもらったんでしょ」


「えーっ、クリスマスプレゼントってことですよね」


「・・・その通りです」


「森さんには何をあげたの?」


「カーディガン」


「もしかして、着てくれてない?」


「・・・うん」


「それで、ゆうはどう思った?」


「ちょっと、いや、だいぶ悲しかった・・・」


「優花先輩、それが証拠ですよ」


「証拠?」


「優花先輩が、森さんのこと好きだっていう、証拠です」


「それはわかってるんだけど・・・」


「クリスマスは、森さんから誘ってくれたんですよね?」


「うん」


「じゃあ今度は、優花先輩が誘わないと」


「誘うって、何に?」


「これ、おすすめですよー」


ひとみちゃんがスマホで見せてくれたのは、カウントダウンイベントを紹介しているページだった。


「私、去年彼氏と行きましたけど、キレイですし、いろいろお店もあって飽きませんよ」


明日香先輩もスマホをのぞきこんで、


「いいじゃんこれ、ゆう、今すぐ森さん誘ってきな」


「えーっ、今すぐですか?」


「何言ってんの、森さんの年末年始の予定知ってるの?


北海道帰るかもしれないし、聞くだけ聞いてみなよ」