森さんはシステム部のみんなのところへ、私は明日香先輩とひとみちゃんのところへ戻る。


「ゆう、森さん何だって?」


「えっと、クリスマス一緒に過ごそうって」


「キャー、優花先輩、それってやっぱりそういうことですよね!」


「そうだよ、ゆうもクリスマスに便乗して素直にならないと」


「そんなんじゃないです、ひとりもの同士慰めあうんです」


「優花先輩、何度も言いますけど、好きでもない相手を誘ったりしないんですからね」


「ふたりが思ってるような『好き』じゃないんだよ」


「なんか、こっちまでドキドキしてきた!」


もう、完全に私で楽しんでる。




今年のクリスマスは、一人じゃないんだ。


彼氏じゃないけど。


お互いに、彼氏彼女のフリをするってことだよね。


森さんのご両親の前で彼女のフリをするよりも、気楽だな。



だけど。


明日香先輩とひとみちゃんには、旦那さんと彼氏がいて。


特別な人がいるのは、やっぱりうらやましい。



私にとって特別な人は、いつかあらわれるのかな。


あらわれたとしても、好きになる資格があるのかな。