キミに出会うまで

「す、すみません、なんでもないです」


「なんでもないっていう感じじゃねーけど?」


システム部の同期の茶化す声に、みんなが笑う。


「お騒がせしました」


みんなに頭を下げて、場の空気が落ち着いた。



「ゆう、ごめん」


「いえ、明日香先輩のせいじゃなくて、私が勝手に動揺しただけですから」


「でもさ、森さんのこと、ちゃんと考えてみたら?」


「はい、でも、森さんは仲の良い同僚っていうだけですから」




その時、頭上から声がした。




「俺がどうかした?」


「森さん・・・」


ヤバイ、いまの聞かれてた?


「土屋さん、水野さん、コイツ借りていいですか」


「はい、どうぞどうぞ」


「えっ、なに言ってるんですか?」


「じゃあ、ちょっと失礼します」


「えーっ、なんで?」


森さんに腕を取られ、お店の外に出た。