「飲み物はメニューにあるものなら飲み放題なので、遠慮なく飲んでください。俺に言ってもらえばオーダーしますので」
とみんなに言ったら、
「ウーロン茶をお願いします」
と、真っ先に真奈美が言った。
「え?」
「ウーロン茶」
「なんで?」
「いいから……」
他にもカシスウーロンだの冷酒だのを頼まれ、俺はそれらを店員さんにオーダーした。
「もしかして、アルコールはドクターストップ?」
「まあ、そんなところ」
「何の病気なの?」
「後で言うから」
俺は真奈美の病気が気になってしょうがないのに、真奈美は全然話そうとしてくれなかった。俺は真奈美が心配で心配でたまらないが、真奈美は笑顔で料理を食べ、隣の佐藤さんと楽しそうに会話しており、具合が悪いとは思えないし、深刻そうにも見えない。むしろ機嫌が良いぐらいだ。
鈴木さんの鍋奉行ぶりに感心したりしながら、宴もたけなわになり、そろそろかなと思って佐藤さんに挨拶してもらう事にした。
「私なんかのために、お忙しい中お集まりいただいて有難うございます。私はこの度、一身上の都合により会社を辞める事になりました」
その一身上の都合が、端っこにいる美樹本さんとの不倫である事はみんな知っているので、たちまちシーンと重い空気に包まれてしまった。
とみんなに言ったら、
「ウーロン茶をお願いします」
と、真っ先に真奈美が言った。
「え?」
「ウーロン茶」
「なんで?」
「いいから……」
他にもカシスウーロンだの冷酒だのを頼まれ、俺はそれらを店員さんにオーダーした。
「もしかして、アルコールはドクターストップ?」
「まあ、そんなところ」
「何の病気なの?」
「後で言うから」
俺は真奈美の病気が気になってしょうがないのに、真奈美は全然話そうとしてくれなかった。俺は真奈美が心配で心配でたまらないが、真奈美は笑顔で料理を食べ、隣の佐藤さんと楽しそうに会話しており、具合が悪いとは思えないし、深刻そうにも見えない。むしろ機嫌が良いぐらいだ。
鈴木さんの鍋奉行ぶりに感心したりしながら、宴もたけなわになり、そろそろかなと思って佐藤さんに挨拶してもらう事にした。
「私なんかのために、お忙しい中お集まりいただいて有難うございます。私はこの度、一身上の都合により会社を辞める事になりました」
その一身上の都合が、端っこにいる美樹本さんとの不倫である事はみんな知っているので、たちまちシーンと重い空気に包まれてしまった。



