俺は、隣には座らないでください的なオーラを放ち、なんとか真奈美の席を確保する事ができた。


「チーフと美樹本さんがまだなので待ちますね。もうすぐ来るはずなので」


　真奈美からは少しだけ遅れそうだとメールが来ていた。その時にどうしたのかと聞いたのだが、大丈夫としか返事をもらえなかった。

　真奈美が来たら宴会を始めるつもりだ。どうせ美樹本さんは来ないから。

　ただ待ってもらうのは忍びないので、先にビールだけもらってみんなに飲み始めてもらった。見れば田中美鈴さんと鈴木さんが隣同士で、二人は初対面のはずなのに早くも話が弾んでいるようだ。

　ちなみにメインの料理は海鮮鍋と刺身の船盛。アルコールとソフトドリンクは飲み放題だ。

　佐藤さんと高橋さんはいつもの漫才みたいな会話を始めており、なかなかいい感じになっていたら、入り口に突然花が咲いた。という事はもちろんないが、俺にはそう見えたんだ。


「遅れてすみません」


　純白のコートをまとった、今日もすこぶる美しい真奈美が現れた。だが……

　なぜか真奈美の隣には、美樹本さんがいた。