今夜の幹事は一番年少の俺で、幹事の特権を活かして和食にした。もちろん、真奈美が和食好きだからだ。あ、主賓の佐藤さんも和食はオッケーとの事。

 そして、これまた幹事の特権で、真奈美にはしっかり俺の隣に座ってもらうつもりだ。

 個室を7名で予約しており、店員さんに案内されて行くと、ほどなくしてメンバーの多くが集まってきた。

 メンバーはシステム部の俺、真奈美、佐藤さん、高橋さんの4名に加え、真奈美の同期の田中美鈴さん、協力会社の鈴木さん、そしてなんと美樹本さんの計7人。

 元部長で佐藤さんと不倫した美樹本さんへは、思いっきり皮肉を込めて声を掛けたのだが、まさか参加の返事が来るとは思わなかった。

 とは言え、結局は来ないんじゃないかと思う。みんなに合わせる顔なんてないと思うから。その時は、後でしっかりキャンセル料を徴収するつもりだ。

 真奈美と美樹本さん以外は集まったようだ。


「席は適当でいいですから」

「佐伯ちゃんはどこに座るの?」

「俺は幹事なんで、この端っこです」


 俺は出入口に一番近い端の席を指さした。


「じゃ、わたしはその隣……」

「だ、ダメですよ。佐藤さんは主賓なんですから、真ん中に座ってください」

「席は適当でいいって言ったじゃん」

「佐藤さんは例外です」

「ちぇっ。つまんないのー」


 ふうー、あぶなかったぜ……

 俺と真奈美が付き合っている事を、まだみんなには話していない。ただし美樹本さんだけは、真奈美が相談していた相手という事で、口止めをお願いした上で話してあるらしい。


 実は今夜、ある報告と共にみんなに話す予定になっているんだ。