なぜか佐藤さんは周りをキョロキョロ見だした。
「何やってるんですか?」
「へ? 佐伯ちゃんは誰を誘ってるのかなと思ってさ……」
「佐藤さんですよ。“佐藤さん”って言いましたよね?」
「やっぱりわたし? うそ、信じらんなーい」
まったく、佐藤さんはおもしろい人だ。それだけに一緒に酒を飲めば楽しいだろうと思って誘ったのだ。ボディタッチは玉に瑕だが。
「初めてだよね。佐伯ちゃんがわたしを誘ってくれるのは。嬉しいし、びっくりだわあ。でも……」
でも?
「惜しいなあ。本当に惜しいなあ。今日は先約があるのよ」
「そうなんですか?」
「そうなの。ごめんね? また誘って? あ、明日はどうかしら。明日なら空いてるの、わたし」
「い、いえ、明日はちょっと……。また今度という事で」
「そう? ああ、モテる女は辛いわあ」
「佐伯。俺も今夜はダメだわ。悪いな?」
「あ、そうですか。それは残念だなあ」
向かいの高橋さんからも断られてしまった。誘ってもいないのに。だが、悪いけど結果オーライだ。高橋さんと飲みに行くと、俺は全く興味のないプロ野球か、せいぜい家族の話しかしないから。
仕方ない。帰りにコンビニで酒とか買って、今夜は家呑みといくかな。
「何やってるんですか?」
「へ? 佐伯ちゃんは誰を誘ってるのかなと思ってさ……」
「佐藤さんですよ。“佐藤さん”って言いましたよね?」
「やっぱりわたし? うそ、信じらんなーい」
まったく、佐藤さんはおもしろい人だ。それだけに一緒に酒を飲めば楽しいだろうと思って誘ったのだ。ボディタッチは玉に瑕だが。
「初めてだよね。佐伯ちゃんがわたしを誘ってくれるのは。嬉しいし、びっくりだわあ。でも……」
でも?
「惜しいなあ。本当に惜しいなあ。今日は先約があるのよ」
「そうなんですか?」
「そうなの。ごめんね? また誘って? あ、明日はどうかしら。明日なら空いてるの、わたし」
「い、いえ、明日はちょっと……。また今度という事で」
「そう? ああ、モテる女は辛いわあ」
「佐伯。俺も今夜はダメだわ。悪いな?」
「あ、そうですか。それは残念だなあ」
向かいの高橋さんからも断られてしまった。誘ってもいないのに。だが、悪いけど結果オーライだ。高橋さんと飲みに行くと、俺は全く興味のないプロ野球か、せいぜい家族の話しかしないから。
仕方ない。帰りにコンビニで酒とか買って、今夜は家呑みといくかな。



