私は片手にちーすけを抱き、もう片方で小屋の扉を開けることにした。
クロが牙でこじ開けるのを、待つよりはましだ。
私は体全体でクロを押さえつけて、片手で必死に小屋を開ける。
もしかしたら小屋を開けた瞬間に、シロに噛みつく可能性もあるから油断はできないな。
「はやくっ.....」
こんなときに限って、焦りで手が思うように動かない。
当然、クロの大きい体には敵わず、何度も押し負けそうになるけど、私が倒れたらちーすけとシロが殺されてしまう。
正直、もう犬には見えないクロと戦うのは怖い。
それに、私も噛まれるかもしれないと思うと、力が抜けそうになる。
でもそれ以上に、ちーすけとシロが死ぬのはもっと嫌だ!!!


