2階に上がると、とっくにクロはいなかった。
案の定、私の部屋が開いている。
――ガシャン!! ガッシャン!!!!
部屋から小屋を揺さぶる音が聞こえた。
シロが危ない!!
「はぁはぁ.....」
私は息を切らしながら、部屋に飛び込んだ。
すると予想通り、クロはものすごい勢いで小屋を噛んでいて、ビクビクと震えているシロの姿が目に入った。
まずい.....
固い柵の小屋だけど、クロのあの鋭い牙ならこじ開けそうな気がする。
たぶん、時間の問題だ。
ところどころ、クロが噛んだところがへっこんでいるのがわかる。


