ヒューー......ドーーン!!
次々と撃ち上がっていき、大きな円を描く。
ときには、ハートや星などいろんな形の花火が、鮮やかな色で咲き乱れた。
俺の目に、まばゆい光が広がる。
.....会場の方で見ていたら、もっと迫力があったんだろうな。
俺はしばらく立ち止まって花火を見ていたけど、再び歩きだした。
「それは、マンビラリーノだよー....」
翼がよくわからない寝言を呟く。
そういえばコイツは結局、花火を見ずじまいか。
でも起こしてやんねー...
俺も無理矢理帰らされてるんだから、それぐらいしてもいいはずだ。
そして、花火の音が遠くなるなか、俺はふとこんなことを思った。
あーあ、7月ももう終わりか―――と。
side 司 ―end―