魔導師組合から、ひとまず内定の通知を貰った鉄観音。


赴任出来る学校が決まり次第、教員か何かとして通う事になる。


3人も同じだった。

組合からは、小中高一貫校の私立が望ましいと言う事で、話しを進めると通達された。


都合よく学校が決まるのか、甚だ疑問であるが、裏社会に純然たる影響力を持つ東洋魔導師組合だ。

交渉役には日野みさきが当たっていると言う事で、2学期が始まる秋には、鉄観音の就職も決まるだろう。


香織も、そうなれば高校に通える。


沙織、ひよりの二人に話すと、二人は非常に喜んだ。

ひよりの心の傷は癒えないまでも、蕪木家の女性達と過ごすうちに、打ち解けるように成っていた。



「まあ、上出来です。ハルシュバーン様。
細かい注意点は、今後の魔導師組合の調査内容に沿って話をします」


イブは鉄観音に言った。

「イブちゃん、俺達が居ない昼間とか何するの?
家の仕事とか大変じゃないの?」


「王。心配してくれるんですか?おお、嬉しいです。
でも、心配はご無用です。
私は使い魔を出せるので」


「えっ!?使い魔!?初耳何だけど!!」


「まあ、虔属ほど優秀ではないですが。
単純な一つの作業をやる事しか出来ません」


「そ、そうなんだ」


「使い魔にするには、小動物が適しています。
大きな動物を擬人化させると、動物の身体能力を持ったままの人型になるので、周りが危険ですから」


「マジで!?イブちゃん、凄いね!」


「王が完全に覚醒したなら、私よりも優秀な使い魔を作れますが」


「い、いやぁ〜・・・。それはそれで何だかな・・・」


「なので安心して、お仕事をして人の感受性を研ぎ澄ませて来てください。
それが、あなたの修行なのですから」


「修行とか、言わないで・・・。なんかやる気を無くすから・・・」


「はあぁ〜・・・。ホント、こんなんで大丈夫なのでしょうかね・・・」


イブの苦悩は尽きない。