最後の願い



俺は泣いていない。

どっちかと言うと、

目の前の女の方が泣いていそうだ。

頬に手を当てても、

雨か涙か俺には分からない。

車のライトが俺と女を照らす。

酷くその姿は滑稽だ。

世の中のクズみたいな俺、

死んでも困らないだろ?


女は真っ直ぐした瞳で俺を見ていた。

俺の汚い考えが見抜かれそうで、

視線を逸らした。