見上げた空は青かった

薄暗くなった病院の廊下。


どこからか幽霊が出てきそうで怖い。


子供っぽくて結愛にそんなことはとても言えないけど。


手術中のランプが消える。


わたしと結愛は同時に立ち上がる。


『阿藤先生は!?先生は助かったんですか!?』


「できる限りのことは尽くしました。今は何とも言えません」


それって助かったってこと?


「しばらく昏睡状態でしょうからあと彼の体力と気力に懸けるしかありません」


つまり今生死の狭間にいるってことか。


あの話を、阿藤に直接聞かなければいけない。


どうか、助かって。


どうしても気になる。


あの時彼のかすかな声をしっかりと聞いたから。



「ありがとう」