『ん...っ...』



目が覚めると



ベッドの上で



豹牙(ひょうが)は隣にはいない



心のどこかでホッとした自分がいた。



最低だね



彼氏がいないだけでホッとするなんて



彼女失格だよ。



『いっ...!』



立ち上がろうとしたら



腕と足に激しい痛み。



腕と足を見ると



そこには無数の青くなった痣。



それを見ると



また悲しくなって



涙が零れてしまう。



『ふ...っ...ぅ...』



豹牙はいないのに



自然と声を押し殺して泣いてしまう。